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漫画『ハンターハンター』ゴンの母親はパリストン?「判明」と騒がれた説を検証

「ゴンの母親がパリストンだと判明」——2022年11月、漫画『ハンターハンター』のこんな説がネットで話題になった。ゴンと目元が似ている、ジンにゴンの見舞いの話をしている。そこから、パリストンが母親ではないかという予想が出ていた。

だが、当時の記事で母親だと判明したわけではない。挙げられた顔の比較や会話には、親子だと分かる描写がないからだ。

たとえば見舞いの話。パリストンはゴンを心配しているようでいて、その直後には、行っても死んでいたら無駄になると言い出す。これを母親の言葉と受け取るのは無理がある。なぜ母親説が出たのか、根拠にされた場面を一つずつ確かめよう。

「ゴンの母親はパリストン」と言われた理由

ゴンとの顔の類似と、ジンとの会話を「親子だからではないか」と受け取った読者がいたためだ。

2022年11月30日のまとめ記事では、主に次の話が出ていた。

  • 成長した姿のゴンとパリストンは、目元が似ている。
  • パリストンがジンに、ゴンの見舞いに行こうかと話している。
  • シーラとパリストンは同じ人物で、性別を変えたのではないか。

原作で母親の名前が明かされた、という話ではない。元の記事にも「判明(妄想)」というツッコミが載っている。見出しだけを読めば新事実が出たように思えるが、中身は読者同士の予想だった。

目元が似ているだけで、母親と言えるのか

目元の類似だけでは、母親とは言えない。

当時の書き込みでは、成長した姿のゴンをパリストンと比べ、母親似ではないかと予想していた。

似ていると言われれば、見比べたくなる。でも、血がつながっていない人でも顔は似るし、仮に親族でも母親とは限らない。なぜ父方の親戚ではなく母親なのか。この比較だけでは分からない。

母親説のきっかけにはなっても、母親だと断定できる証拠ではない。

ゴンへの見舞い発言は、母親だからなのか

この会話だけで母親とは判断できない。むしろ、ジンを怒らせようとする発言に見える。

30巻No.319「抽選」で、パリストンは重体のゴンについてジンに話しかける。自分も見舞いに行こうか、と。ここまでなら、ゴンを心配しているようにも聞こえる。

ところが続けて、見舞いに行っても死んでいたら無駄になる、と言い出す。息子が重体だという父親に、笑顔でこの言い方。心配している人の言葉としては、ひどすぎる。

ジンは、ゴンは死なないと言い切る。パリストンの見舞い発言を「母親だから心配している」と読むには、そのあとの嫌な言い方を無視することになる。会話全体を読むと、ゴンの容体を持ち出してジンを挑発している、と考えるほうが自然だ。

シーラとの同一人物説は、母親説の証拠になるのか

証拠にはならない。同じ人物だとしても、ゴンを産んだことにはならないからだ。

当時は、シーラとパリストンが同一人物ではないか、性別を変えたのではないか、という予想も出ていた。しかし、それ自体が予想だ。さらに、ゴンの母親だとするには、その人物がゴンを産んだと分かる描写が必要になる。

当時の記事には、出産や母子関係を示す場面は挙がっていない。同一人物説に性別の話を足しても、母親だと確認できたことにはならない。

つまり、2022年の記事で「パリストンがゴンの母親だと判明した」わけではない。目元、見舞いの発言、シーラ説のいずれも、母親だと断定できる根拠にはなっていない。

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